ロゴ

2025.04.15

コラム|現代寺院と未来志向事例のまとめ

お寺が直面する課題は、少子高齢化や都市化、価値観の多様化など、現代社会の変化と深く結びついています。かつて地域の精神的支柱として機能してきたお寺は、今、そのあり方を問われています。しかし、その変化を単なる危機として捉えるのではなく、むしろ新たな可能性を切り開く機会とすることが求められています。

これからのお寺は、単に「地域の心の拠り所」として存在するだけでなく、「地域と共に未来を創る拠点」として、役割を再定義し進化していく必要があります。人と人、人と文化、過去と未来をつなぐ場として、お寺は新たな社会的価値を生み出す存在へと転換していくことが期待されていると考えます。

そこで全国の「地域と共に未来を創る拠点」として前進したお寺の事例をまとめました。

🧘‍♀️ 具体的な事例紹介

【神谷町 光明寺(東京都港区)】

  • 特徴: 「お寺×IT×現代社会」

  • 取り組み:

    • 「彼岸寺」という仏教ポータルサイトを開設し、若者や僧侶同士の情報発信の場を構築。

    • SNSやYouTubeを活用して仏教の考え方を分かりやすく発信。

    • 現代社会の悩みと仏教をつなぐ活動(例:瞑想会、死生観を語るイベント)を実施。


【應典院(大阪市天王寺区)】

  • 特徴: 「劇場とお寺が融合した寺院」

  • 取り組み:

    • 本堂を「寺劇場(てらげきじょう)」として開放。演劇、講演、アートイベントなどを開催。(現在は一般利用を終了)

    • 市民とともに「生と死」を考える対話イベントを定期開催(例:「いのちの学校」)。

    • 宗派の枠を超えて、NPOなどと連携した社会課題へのアプローチ。


【妙輪寺(神奈川県中郡)】

  • 特徴: 「ITとデジタル時代に対応するお寺」

  • 取り組み:

    • VR法要やオンライン法事を積極導入。コロナ禍でも参列者とつながれるよう対応。

    • LINEで法事・供養の予約や相談ができるなど、ユーザー目線の工夫。


【高源寺(兵庫県丹波市)】

  • 特徴: 「里山×お寺×ワーケーション」

  • 取り組み:

    • 宿坊を活用したワーケーションの受け入れを実施。

    • お寺での瞑想や坐禅を体験しながら、自然と共生する暮らしを体験できるプラン。

    • 地域活性と宗教空間の再価値化を図る取り組み。


【常泉寺(神奈川県大和市)】

  • 特徴: 「ガーデニング寺」

  • 取り組み:

    • 境内に3,000種以上の花を植栽、「花のお寺」として親しまれる。

    • 地域住民や園芸好きの人々とのつながりを深める場に。

    • お墓参りと自然の癒やしを組み合わせた「憩いの空間」提供。


最後に

これらのお寺は、共通して「仏教の本質は変えず、形を柔軟に変える」ことを独自に取り組まれています。

さじ加減はそれぞれですが、何が本質なのか?の自問が必要な時代に来ていることは間違いないのかもしれません。

株式会社 艸 -sow-は日本の伝統文化・神社仏閣専門のデザイン会社です。
info@sow.ne.jp
www.sow.ne.jp